基幹労連。津村委員長「物価超えるベア」、鉄鋼49年振り3万円要求 ― 2024/02/12 15:13

【労働フォーラム】20240207-24 基幹労連中央委 津村委員長「物価超えるベアを」、賃上げ相場形成・波及めざす、鉄鋼ベア3万円要求
★ 鉄鋼、造船、非鉄金属などの基幹労連は2月7日、中央委員会を東京で開き、24春闘のベア要求を1万2000円以上(約4%)と決め、各部門で上積みし、鉄鋼はベア3万円(10%)など大幅な賃上げを掲げた。 ★ 基幹労連は「2年サイクルの春闘を堅持」しながら、24春闘では03年の産別結成以来、初めて単年度のみの方針を決定。国際情勢や為替の動向など予測が難しい状況や格差是正などを考慮したものである。 ★ 鉄鋼部門はベア3万円(約10%)を要求。定昇6900円を加え3万6900円(約12%)の引き上げとなる。2年前は「22年度3500円、23年度3500円以上」を要求し、妥結は物価高騰を考慮しない「3000円、2000円」にとどまり、造船・総合重工など他産業と大きな差が生じていた。24年の要求はインフレ下の74年の(31%)以来49年ぶりの高い水準となる。 ★ 造船・総合重工部門はベア1万8千円(5%)、定昇込み7%で調整し、77年の1万8千円以来の水準。23年はベア1万4千円(4%)を要求し、大手は満額を獲得していた。 非鉄金属部門はベア1万5千円(約5%)を求める方向だ。 ★討論では、三菱重工は「昨年、満額獲得14000したが、職場からは実感がないとの声がある、24も物価に負けない取り組みをする」。神戸製鋼は「3万円を示し、取引先にも波及させたい」と表明した。 ★ 各部門の要求の違いと産別の統一闘争については、「賃金改善で一致し、部門で変化への対応」としている。交渉についても実質賃金を確保した上で、人への投資を求める方針だ。 ★ 春闘全体への影響について、石橋学事務局長は「大手がパターンセッターとなり、中小へ波及させ、春闘相場引き上げへ」と展望。津村正男委員長は「デフレ脱却のきっかけへ、高い水準(の要求)を掲げ高い回答を引き出すことが波及効果を持つ」と意義を語った。 ★中小支援については、大手の先行高相場回答を波及させ、例年行っている業種経営要請行動で経団連などが推奨している公正取引のパートナーシップ宣言など要請。昨年11に政府が提起した労務費増加の価格転嫁については、「具体的な取り組みの時間的対応から要請しない」と語った。 ★津村正男委員長は2月5日の事前の記者会見で、「物価を上回る賃上げ」の意内容について、「定昇を含むのか、ベアだけかが不明確である」と指摘。「定昇は賃金カーブ維持分であり、内転原資だ。ベアは基本賃金引きでカーブ引き上げ水準だ。物価を超える賃上げは、定昇除いたベアである」と強調した。
★基幹労連の2年サイクル春闘は1998に鉄鋼労連が「毎年でなく、2年に一度の春闘で闘争を集中し、運動の効率化」から採用した。経団連も隔年に触れつつも、毎年の春討効果を重視。労使とも2年サイクル型は広がっていない。基幹労連の今後の動向が注目される。
★鉄鋼も3万円要求は49年ぶり。74年の過年度物価上昇率が前年より5%高い20・9%アップを踏まえ、75春闘要求で総評は前年より1万円高い40000円以上(30%以上)、同盟は27%(約30000円)を設定した。前年マイナス要求を提起した鉄鋼も要求率は前年の31%より低い26・9%としたが、額では前年より2000円高い32000(定昇2800円別)を要求。JCも物価分を上回る25%を掲げた。妥結は鉄鋼13・9%の最高で決着。春闘全体は13・1%に低下したが、全体では物価分を上回る実質賃金2%増を確保している。(鹿田勝一))
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