最賃実施は前倒しへ、フランス方式視察2025/08/25 17:10

【労働フォーラム】20250825―96月

最賃改定10月実施遅れの県も、連合は」「前倒し実施でやるべき」 フランスなど最賃調査団(1978年)は「前倒し実施」「遡及措置」など提言

★連合の定例会見が8月21日に開かれ、最賃改定の実施がこれまでの全国10月から、県により11月、12月に遅れていることへの質問が記者からだされた。★島根では中央目安63円プラス8円(時給1033円)で実施は11月17日。岡山は目安プラス2円(65円。月1047円)で12月1日実施など5県が10月実施を遅らせている(8月21日現在)。昨年、徳島が目安プラス34円と大幅に引き上げて実施を11月に遅れさせたケースの拡大とも言える。★中央最賃審議会でも使用者側は大幅な改定に対して実施の弾力化を主張していた。

★連合の仁平総合労働政策局長は「最賃引き上げ中小、未組織労働者への賃上げ波及効果があり、遅らせるのではなく、10月実施し前倒しすべきだ」との見解を示した。★質問では1カ月遅れで約17万円の損にならないかとも質された。 ★さらに記者からは「実施時期の遅れは最賃闘争と目安設定48年の歴史からみて逆行ではないか」との質問も出された。

★最賃闘争では1975年の全国一律最賃法案から、法案を重要参考資料としつつ78年に目安制度野創設となった。★労働側は今後の全国一律最賃制の実現へ向け、フランス、イギリスなどへ全国一律最賃制調査団を派遣。★フランスでは1951年当の時11ランクを17年かけて、ランク数を減らし、1968年に全国一律制を実現した。★日本も「フランス方式で全国一律」をめざすとされ、ランク間の格差縮小(ランク数の減少)を重視。★さらに、毎年の改定でなかった最賃を毎年引き上げ、バラバラだった実施時期を10月に統一させ、実施時期も前倒して賃上げ波及の拡大をめざした。 ★「最賃の発効日を早めることができるか」を課題に★「組織労働者の賃金は4月改定、最賃は半年遅れの矛盾がある」「審議会決定から異議申請期間、発効まで約50日間。審議会決定までの遡及発効も。イギリス方式立だと2カ月間早めることができる」としている。 ★ 海外の発効日はフランスが翌月実施、イギリスは審議会答申日まで遡及などである。

★最賃の発効日の延期と分散化は、中小・未組織労働者の賃上げ波及の低下となり、最賃制度の趣旨に反し、最賃闘争の歴史の逆行ともなる。★春闘で経営者の中には、組合の要求に対して最賃の10月実施を口実に、まともに回答せず、二段階回答の傾向もみられる。★組合は今回の実施延期、分散化に対しては厳しく対処し、前倒しの運動を強めるべきだろう。★同時に最賃で中小支援政策を拡充させることが求められている。(鹿田勝一)

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