金属労協24要求、ベア4%実質賃金確保ヘ2024/03/02 17:35

【労働フォーラム】20240302-34 JCM24要求、大手、中小ともベア4%程度で実質賃金確保水準

金属労協は24春闘の要求集計を2月29にまとめ、大手、中小とも物価分3%を超え、実質賃金確保の水準以上に達していることを明らかにした。大手52組合は昨年より6835円高い15115円。1484組合に平均は12392円。規模別では1000人以上の206組合は13258円、299人以下は11860円で、格差は2398円である。ベア要求は平均4%とみられ、中小も実質賃金確保の水準という。中小のベア3%確保は厳しい水準だが、金子議長は労務費の価格転嫁を強め、大手先行相場の波及拡大ㇸ情報発信を強めたいと語った。(鹿田勝一)

銀座で連合24春闘アピール、10数年振り2024/03/03 14:37

【労働フォーラム】20240303-35

銀座で24春闘「連合アクション街頭アピール」、10数年ぶりの伝説地

★連合は10数年ぶりに東京銀座数寄屋のマリオン前で24春闘「連合アクション街頭アピール活動」を3月1日に行った。★街頭宣伝は同じやるなら目立つ場所で銀座のど真ん中ということで決まったという。かつて笹森会長が大型宣伝カーの上からマイクを握り、通行人の足を止めさせた伝説の場所でもある。 ★芳野会長は実質賃金確保へ昨年を上回る賃上げと中小支援、適正取引を訴えた。通行人には問題解決へ連合に相談し、組合づくりをと呼びかけた。 ★会長代行のUAゼンセンの松浦会長、副会長の運輸労連の成田委員長、連合東京などが春闘盛り上げを都民に呼びかけた。横断幕の「みんなで賃上げ!ステージを変えよう」を見ながら足を止める人もいた。(鹿田勝一)

JAM結成24年で最高の春闘要求、スト権背景に交渉も2024/03/03 14:52

【労働フォーラム】20240303-36

JAM結成以来最高の24春闘要求、労務費の価格転嫁で各企業要請書、スト権背景に交渉

★JAMは3月1日に会見を開き、24春闘の要求集計を発表した。ベアは630組合平均で11693円(昨年比2964円増)、300人未満の466組合平均で.11610円(同2851円増)と健闘し、1999年の産別結成入りの最高となった。定昇(4500円)含む平均で15616円(3024円増)で5・94%、300人未満15151円(2844円増)で6・0%であり、物価を上回る実質賃金引き上げとなる。 ★労務費増加の価格転嫁については、24春闘の交渉前に要請書を各会社に提出。項目は①誠意ある対応、②政府指針に沿った取り組み、③政府の設定いている「価格交渉促進月間(3月、9月。JAM2月、8月)に取引先企業地の取り組み、④「パートナーシップ構築宣言」(JAM227社)」登録への取り組みである。効果は23春闘では価格転嫁できている組合83労組)はベア5239円で、「できていない組合(279労組)より637円高く、平均賃上げ9732円で、1112円高くなっている。 ★会見で安河内会長はストについて、「単組から聞かれることがある」と述べ、アメリカの学者が「ストの必要条件」と言っている4条件を紹介。①雇用のひっ迫、②物価高による生活苦、③政府の後押し、④新しいリーダーの誕生に触れ、「日本にも当てはまり、我々のリーダーシップが問われる。当然の権利を捨てることなく背景にして粘り強く交渉したい」と述べた。連合もスト権確立を決めている。  ★また「物価上昇に負けない賃上げ」の内容は「広義のベアである」と述べた。(鹿田勝一)

四半世紀の実質賃金低下打開、全労連3・14スト2024/03/06 17:52

【労働フォーラム】20240302ー38

全労連、四半期以上の実質賃金低下を取り戻し、生活を改善させる歴史的賃上げ 3・14スト産別まとめる

★全労連は2月28に幹事会を開き、産別の要求集計とスト計画状況を発表した、全労連の要求は3万円以上(10パアセント以上)。医労連は4万円以上、JMITU4万円以上、福祉保育労5万3000円.建交労3万8000円以上、自治労連3万円以上などである。 ★スト計画は3月1日から4月10日の最賃アクションまで5波を配置。最大ヤマ場は3:13回答、14全国統一行動。医労連は「8%以下ならスト実施」やJMITU,福祉保育労、生協労連、出版労連、建交労、映演劇労連などである。 ★方針では、追い風春闘で4つの重要テーマを決定。①国、自治体が「公共を取り戻す」取り組み強化、②ストを力に全ての労働者に大幅賃上げ、③四半期以上の実質賃金低下を取り戻し、生活を改善させる歴史的賃上げ、④多様な働き方、労使自治を口実にした労働者保護法制の改悪を許さないなどである。労働組合の真価が問われる春闘としてストを軸とする闘争のバアジヨアップをめざしている。(鹿田勝一)

連合5共闘『24春闘牽引』を表明2024/03/06 18:02

【労働フォーラム】20240303-37

連合政策・制度集会、5共闘がアピール、「牽引役」を表明

★春闘ヤマ場を前に連合は3月1日に東京有楽町のよみうりホールで政策・制度要求実現集会を開いた。★芳野会長は「3月13~14日の集中回答日に物価を上回る賃上げでデフレマインド脱却のチャンス」と強調し、価格転嫁へ政労使の取り組み強化を訴えた。 ★5共闘の連絡会議代表は「転換点の24春闘。金属が引っ張ていく」(金属の自動車総連・金子会長)、「昨年は賃上げ転換への第一歩。今年は実質賃金確保への第一歩」(流通のUAゼンセン・松浦会長)、「格差是正の正念場」(化学のフード連合・伊藤会長)、「物価超え賃上げを」(インフラ・公益の情報労連・安藤委員長)などアピール。交通・運輸の成田委員長の音頭で参加者全員で「ガンバロウ」と拳を突き上げた。 ★単組からは組合を昨年結成したJAMの職場やフード連合の職場からは「正規・非正規一体の取り組みで要求満額獲得を」などの決意も表明された。参加は1807人(会場1020人、オンライン787人)である。(鹿田勝一)

UAゼンセン、先行満額回答増加、実質賃金プラス生活向上2024/03/08 10:29

【労働フォーラム】20240307-39

UAゼンセン、先行満額回答28組合、実質賃金プラス生活向上分を確保

★UAゼンセンは3月7日に先行妥結集計を発表し、満額獲得組合の増加と実質賃金プラス生活向上の相場形成を明らかにした。妥結組合は28組合ですべて満額獲得し、昨年より10組合増加の勢いをみせている。 ★満額獲得の水準は25組合平均で定昇込み20258円(6.70%)で、昨年より5648円(1・65%)のプラスである。ベアは15640円(5・15%)で物価分3%を大きく上回り、実質賃金プラス生活向上、格差是正も確保している。妥結組合ではイオングループ(48組合)が労働協約を踏まえ、企業横断的に先行満額獲得しているのが特徴である。

★ゼンセンの要求は、連合のベア3%以上(定昇込み5%以上)を上回るベア4%基準、定昇込み6%基準を設定し、実質賃金確保の物価分3%にプラスして活向上分1%を上積みしていた。467組合の要求平均は定昇込み18345円(6.18%)、ベア13509円(4.34%)で、産別基準をやや上回る水準となり、UAゼンセン結成の13年以来最も高い要求となっている。300人未満も定昇込み16252円(5.95%)、ベア11743円(4・04%)と健闘している。

★ゼンセンはこれまでも金属大手より先行して満額など高額回答を発表し、相場形成に影響を与えてきた。記者会見で松浦昭彦会長は先行満額獲得の増加について「連合は24春闘を経済社会のステージ転換としている。ゼンセンとして昨年以上に早期に高めの賃上げを形成し、物価を超え、生活向上への波及をめざしたい」と強調。中小解決へ4、5月までねばり強く取り組み、組合のない職場や働く人全てに賃上げを波及させたいと語った。 ★価格転嫁の企業要請も組合として取り組み、役員やオルグが職場や経営者訪問を行っているという。(鹿田勝一)

春闘総決起集会、全労連「歴史的な大幅賃上げ掲げ2024/03/09 17:55

【労働フォーラム】20240307-40

全労連など春闘総決起集会に2000人、「歴史的な大幅賃上げ」掲げ、スト軸の春闘ヘ

★全労連などは「歴史的な大幅賃上げ」などを掲げて3月7日、東京・日比谷野音で春闘総決起集会を開き、官民2000人が国会デモなどを展開した。★あいさつした小畑雅子議長は「運動が政財界も賃上げを口にする『追い風』の情勢をつくりだした」と指摘。「ストを構えて交渉力を高め、すべての労働者の大幅賃上げ・底上げを」と呼びかけ、内部留保530兆円や戦争国家づくりの予算を福祉・教育にまわそうと訴えた。 ★全労協の渡辺洋議長は連帯あいさつで、「ストを軸とするたたかいでは全労連と全労協は同じ立場に立っている。社会的な大幅賃上げ、最賃をめざして闘おう」と呼びかけた。 ★ 産別からは「スト決行中のプラカード」を掲げた生協労連の組合員や自交総連、全教・自治労連か決意を表明。★会場参加者の声を聞くと、全医労の組合員は3・1ストを構えた2.29の2次交渉で上積みとして全職員にベア2・9%、8324円を回答。「1支部2人の指名早朝ストだったが、組合員や地域労組も参加して当局を動かしスト効果を感じる。組織拡大にもつなげたい」と語った。 ★行動では全国一律最賃制度実現の挙党派院内集会や生協労連の銀座デモをはじめ、自交総連のライドシェア反対集会、官公労の省庁要請なども展開された。★JMITUは職場のリレーストを行った。(鹿田勝一)

連合要求、実質賃金確保へ2024/03/12 17:16

【労働フォーラム】20240307-40 連合30年ぶり要求の高さ、5・85%、実質賃金確保へ

連合の24春闘要求は平均5・85%で、94年の5.40%以来30年ぶりの高さとなったと3月7日の集会結果で明らかになった。平均額は17606円で昨年より4268円(1.36%)増出る。ベアは平均12892円(4.30%)で、昨年より4460円(1.47%)の増である。 焦点の300人未満の中小は平均15495円(5.97%)で、昨年比3429円(1.30%)増で、300人以上の17836円(5.84%)同1.37%より、率で上回つた。ベアは中小は11455円(4・38%)で昨年比3643円(1・35%)増。大手13040円(4・30%)で同1・48%増で、中小が大手のベア率を上回ている。非正規は時給75.39円昨年より9.25円増えている。 賃金のほか、「働き方」改革やジェンダー平等など13項目も掲げている。 芳野友子会長は30年ぶりの要求の高さについて「物価高や人手不足に加え、企業業績が良くなり、ステージ転換を図る正念場という意気込みもあり、良い水準の要求になった」と述べた。中小ベアも4%台で実質賃金確保の水準。その実現へ「労務費増の価格転嫁の取り組みを強め、結果につなげたい」(仁平総合政策推進局長)と語った。(鹿田勝一)

連合33年ぶり5・28賃上げ、ベアで大手、中小格差拡大も2024/03/18 16:00

【労働フォーラム】20240307-42

連合33年ぶり5・28%賃上げ、ベア3・70、中小2・98%で格差拡大か

★連合は「経済社会のステージ転換」を掲げ、先行回答1次集計(3月15日)は、加重平均で1万6469円(5・280%)となり、昨年比4625円増(1・48%増)。5%超えは91年(5・66%)以来33年ぶりである。 ★ベアは1万1507円(3・70%)で、昨年比4600円増(1・37%増ヘ)。規模別では300人以上が1万1586円(3・72%)で、23年物価上昇3・1%超え、実質賃金を確保している。★一方、300人未満の中小は8388円(2・98%)で実質賃金割れとなり、大手との格差拡大も懸念されている。★パートなどは時給71・10円(6・47%)で、一般組合員より高い引き上げ率となっている。 ★記者会見で芳野友子会長は「経済社会のステージ転換にふさわしいスタートが切れた。これからが正念場」と述べた。★質問では満額回答続出や要求以上の回答などに対して「要求が低かったのではではないか」「多くの組合は連合要求以上を獲得している。物価ミニマムでなく、生活向上分などを加えた要求の検討も」などもだされた。 ★闘い方では、10数年ぶりの東京・日比谷野音集会や銀座デモを実施し、スト権確立方針も踏襲。金属、流通など5部門共闘の連携も重視した。

24春闘「満額」回答ボード異聞2024/03/21 17:41

【労働フォーラム】20240321-43

24春闘「満額」回答ボード異聞、UAゼンセンをテレビ放映

★UAゼンセンの春闘回答表示ボードがテレビでしばしば放映されている。赤色で「満額」の文字1色のボード。一体、どうなっているのか。 ★まず回答内容。先行組合回答176組合のうち、約半数の76組合が「満額」(うち18組合が要求以上)を獲得。ゼンセンでも異例という。回答水準も平均18198円(5・91%)、うちベアは12826円(4・05%)で、実質賃金プラス生活向上分を確保している。 ★さらに春闘影響力の変化と報道の変化である。昨年から自動車、電機などの要求は物価分より低く、満額回答でも実質賃金はマイナスに下落。加えて金属労協は連合への春闘移管協議も行われ、JC春闘の影響力も低下していた。メディア報道も春闘回答ボードはこれまでのJCから、JAMやゼンセンにスポットを当てるように変化した。 ★とりわけ24春闘では「満額」ラッシュといわれるなかでも、UAゼンセンの「満額」獲得数は、自動車、電機、鉄鋼・造船を大きく上回る組合数である。 ★日本銀行が3月19日、17年ぶりにマイナス金利を解除する判断材料となった「賃上げ追い風」。その可視化としてゼンセンの「満額」ボードがTVニュースでしばしば放映された。金属労協、JAMも今春闘で回答ボードを可視化させている。★春闘69年。これまで見られなかった春闘回答ボート異聞である。(鹿田勝一)