全労連24回答、実質賃金割れ、ストで追い上げ ― 2024/03/24 16:58
【労働フォーラム】20240324―44
全労連24春闘回答、実質賃金割れにストで追い上げ
★全労連などは闘争アジヨンアップ第2幕の春闘として、賃上げ3万円以上(10%以上)の要求を設定。ストを軸に「4半世紀の賃金低下を取り戻す歴史的な大幅賃上げ」をめざしてしている。 ★回答は第一回集計(3月13日)で加重平均では定昇込みで7447円(2・52%)で、昨年比1802円増(0・45%)。25年振りのぶり高い回答だが、物価3.1に届かない水準。非正規は平均時給41・4円である。 ★記者会見で黒澤幸一事務局長は「要求に及ばない回答であり、実質賃金の低下の水準だ。ストを背景に追い上げる」と述べた。 ★産別ではJMITUが1万931で、前年を約2000円上回っている。一方、昨年と横ばい回答や前年マイナス産別もある。規模では2000人以上はプラスだが、99人以下はマイナスなど、業種や規模の2極化も指摘されている。 ★3・14ストにはJMITUの東部地協は170人が参加し、集会・市内デモを行ったほか、医労連、生協労連などもストを実施し、各地方労連もストを支援した。4月10にも最賃と合わせてストを計画し、例年のように7月まで上積み回答をめざす方針だ。 ★なお全労連などはこの2年間は連合より先行していたが、今回は同日回答となった。
「満額」「要求以上」回答続出、どうみる ― 2024/03/31 14:12

【労働フォーラム】20240330-46
「満額」、要求以上の回答、どうみる。春闘69年でも「異常」
★春闘69年でも24春闘のように「満額」回答や要求以上の回答が続出するのは異常である。 ★連合の記者会見でも、質問として「要求が低かったのではないか」「物価ミニマム要求でなく、生活向上分などを加えた要求の検討も」などが出されている。 ★実態は、金属労協では先行48組合の87%が満額回答。産別では基幹労連が6割、UAゼンセンは5割に達している。電機は12組合中11組合、自動車は大手12組合中9組合が満額か要求超え回答である。★どう見るか。 ①満額・要求以上の回答も3パターンある。「経営側の先行発表でノン・ユニオン化」「個別労使の早期妥結で統一闘争軽視」「先行高額相場の形成へ実質賃金確保の単組先行を産別承認」などである。 春闘では力があり、業績の良い大手単組・産別がパタ-ンセッターとなって高額回答の相場形成と波及をめざす方式だ。金属単組のほか、UAゼンセンは産別統一闘争を強化し、グループ労働協約も踏まえ、産別会長の妥結承認のもとに早期高額回答相場の形成・波及を目指し、影響力っを高めている。 ②,「満額」回答でも定昇込みの水準もある。定昇は現行賃金カーブ維持であり、実質賃金は賃金水準引き上げの「ベア」でみる必要がある。厚労省も経団連も実質賃金はベアでみることを指摘している。 ③「満額」も企業の収益増や、内部留保増大からみれば不十分であり、大企業の労働分配率の低下となっている。生産性3原則の公正配分からも問題といえる。 ④賃金の国際比較でも、実質賃金の低下で日本はさらに水準低下となる。 ★連合幹部は「異例だが、後続組合の回答に波及し、評価」と語っている。しかし、満額や要求以上の回答続出は、連合要求が生活向上分もなく、物価ミニマムであり、経営側から見ても「人への投資」で不十分であり、低かったことを示しているのではないか。★「要求基準以上」ではすまない総括の重要課題である(鹿田勝一)。
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