基幹労連奮闘ベア6%、満額組合6割、苦言も2024/04/01 14:41

【労働フォーラム】20240401―46

基幹労連奮闘、ベア6%確保し、実質賃金も「人への投資」も、「満額」6割に苦言

★基幹労連がベアで物価分を大きく超える実質賃金確保と「人への投資」を獲得している。3月26日の会見で、ベア回答は17157円(6%)、300人未満のベアも13088円(4.9%)を確保している。産別の要求はベア12000円である。 ★回答は鉄鋼部門では49年ぶりに3万円(10%)を要求。日本製鉄は「人材確保」から35000円と要求以上を回答し、他2社も3万円の満額回答で、平均331667円(10・7%)で要求以上を確保した。定昇6900円(2%)を含め38567円(約12.7%)の獲得となる。 ★造船・総合の三菱など6社もベア1万8千円の満額回答で、平均17143円(4・9%)である。非鉄金属は要求15000円に対して三井金属などは要求以を回答し、平均ベア17703円(5・8%)である。 ★基幹労連は大手をパターンセッターに賃上げ相場の形成・波及を重視。津村委員長は回答水準について、「満額回答や要求以上の回答は組合の約6割を占め、加重平均で連合、JC回答を上回り、賃上げ相場引き上げに影響」と評価し、中小への波及拡大強を強調した。 ★質問で「満額、要以上の回答評価」を聞かれ、「よいことではない。要求基準はしっかり検討して設定すべきであり、会社回答も過度な人材確保・賃上げ競争はいかがなものか」と述べた。 ★また鉄鋼回答が分散したことについて、部門担当者のは「各社が処遇改善でベアか、休日増か、深夜割増かを検討したものであり、5000円野の差があるが、総額ではそんなに変わらない」と発言。「妥結の柔軟性につながるか」と問われ、「これまでも回答が分かれことはある。基本的な方向は今後、検討する」と述べた。★基幹労連は鉄鋼、造船、非鉄と要求が分かれたが」「賃金改善で一致した上で、各部門が状況を踏まえ上積み判断」としていた。(鹿田勝一)