けんり総行動、JAL不当解雇撤回など求め終日行動 ― 2021/11/01 11:29

労働フォーラム【2021年10月31日】
けんり総行動、JAL不当解雇早期解決など迫り終日行動
日本製鉄、トヨタ東京本社、厚労省など11企業・官庁などへ争議解決要求
全労協(国労、都労連など10万7000人)や全港湾などを中心にさまざまな労働争議を闘っている「けんり総行動実行委員会」は10月29日、東京総行動としてJALや日本製鉄、トヨタ東京本社、厚労省、東京都庁など11企業・官庁などに対し、争議解決を迫る終日行動を展開した。同総行動は、東京地評の「反合理化東京総行動」をルーツに、今年で49年間の歴史と伝統を有している組織である。
総行動では、165人におよぶ日本最大の不当解雇の撤回を求めてJAL本社前で集会を開き、「今こそ解雇争議の解決を」と書かれた横断幕をはためかせた。主催者あいさつした東京全労協の大森進議長は「JAL争議団は11年間、現職復帰を求めて闘ってきた。赤坂社長は争議を解決させたいと言っており、責任をもって解決すべきだ。大企業の社会的責任を追及する包囲網を形成し、最後まで勝利に向けて進んでいこう」と呼びかけた。参加者からは全労協退職者ユニオンや交通ユニオン、ネットワークユニオン東京などが「JAL解雇は不当労働行為と断罪されており、法律違反の解雇撤回を」「社長の解決表明から3年半、社長を追い詰める闘いで勝利しよう」などが訴えられた。決意表明では乗員争議団の齋藤晃事務局長が、「今年末こそ、解雇争議の決断を」とする会社宛て要請書を読み上げた。
総行動実行委員とJAL不当解雇撤回争議団は会社に要請書を手渡し、「これまで特別協議や事務折衝は開催されても、地上マッチングだけでなく、乗務職への復帰や解決金等、統一要求に沿った話し合い進んでいなく、経営トップの実行力が問われている。JALの争議解決が12年を迎えないためにも、この年末での全面解決に向けた決断を」と要請している。
けんり総行動のJAL不当解雇撤回行動は今年では3月、6月についで3回目。集会には、JAL不当解雇撤回争議団などを含め110人が参加。飯田祐三乗員争議団団長や内田妙子客乗争議団団長らも参加した。
集会には、統一要求を踏まえた会社との特別協議とあわせ、JALの不当労働行為を都労委に訴え、国交省の大量解雇承認の「使用者責任」を追及しているJHUの山口宏弥委員長や山﨑秀樹書記長をはじめ、支援者らも多数参加した。今年5月、JAL株主総会への解雇争議早期解決を訴える関係労組の取り組み以来の共同的な行動となった。
東京全労協の大森議長は「けんり総行動はこれまで山あり谷ありを乗り越えて多くの争議を勝利させてきた。JAL争議も勝利まで闘い抜こう」と訴えている。違憲・違法の不当解雇から11年。早期解決に向け「JAL争議オール支援」の大衆行動と支援共闘の拡大が求められている。(ジャーナリスト・鹿田勝一)【JAL解雇闘争レポート53号】
総選挙結果の労働界談話、連合会長は市民連合に選別対応 ― 2021/11/04 21:13
労働フォーラム【2021年11月5日・金】
総選挙結果・労働団体。市民連合談話。連合会長は市民連合に選別対応発言
岸田政権のもとで初めての総選挙が10月31日投票で行われた。選挙戦は与党に対する「野党共闘」の構図となったが、自民は過半数の261議席(15減)を確保した。野党共闘は全289選挙区のうち217選挙区で候補者を一本化し、当選は62議席。1万票以内で惜敗した選挙区は31に上っている。
連合は立憲、国民など213人を推薦し、当選は前回と同じ99人にとどまった。11月1日に選挙結果について清水秀行事務局長の談話を発表。要旨は「自公の絶対安定多数を許し、国会の勢力図は変わらず極めて残念」と指摘。その上で「国民民主党は現職全員の当選など健闘し、一方、立憲民主党は改選前の議席を割り込み大きな課題を残した。両党には選挙結果を検証し、連携・協力の深化を期待し、連合も両党とより密に連携する」としている。
芳野会長は選挙後の会見で「立憲と共産との共闘は残念」と述べ、「来年の参院選でも、立憲と共産との共闘は認められない」「共産党と共闘する市民連合も受け入れ難い」と踏み込んだ。しかし、連合内部は「野党の共闘体制を強化」(自治労)、「中道非共産を基軸に」(UAゼンセン)から自民、公明候補支援まで分散化。「かつてなく政治的な溝は深い」との声も聞かれる中で新会長の政治分野の一体化への前途は多難だ。
共産と立憲などとの共闘について、神津前連合会長は「共産党との共闘には与しないが、選挙区の候補者調整は選挙戦術上の事柄として政党間で協議・決定されるものであり、連合が関知するものではない」と語っている。新会長はその事実をどう受け止め、今後、どう対応するのか論議となろう。
また市民連合と共産党など4野党の関係についても、連合産別内では共闘支援の組織もあり、市民連合に対する共闘選別も問題となろう。
全労連は11月1日に選挙結果について黒澤幸一事務局長の談話を発表。骨子は「市民と野党共闘4野党の統一候補は全体として議席を伸ばすには至らなかったが、多くの選挙区で競り勝つ成果を得た」と指摘。その上で「市民連合と4野党の共通政策は政権づくりまで合意した画期的なものとなったが、短期間の選挙戦で国民に十分に浸透しきれなかった。全労連は政策実現へ市民と野党の共闘がさらに豊かになるよう力を尽くし、来年の参院選で改憲勢力を過半数割れに追い込み、労働者・国民の要求実現の政治転換へ奮闘する」としている。
市民連合も総選挙結果に関する声明を発表。各地で野党候補勝利のために奮闘した市民に敬意と感謝を表明した上で、「多くの選挙区で僅差で敗北したことは極めて残念だ。しかし接戦の選挙区が多かったことは野党と市民の協力に一定の効果があった」と評価。選挙の反省をもとに、日常的な政策実現の取り組みとあわせ、来年の参議院選挙を戦う体制を再構築し、今後とも自民党に代わる選択肢の創出に努力を続ける」としている。
UAゼンセン、22春闘でベア2%基準に高めの相場形成へ ― 2021/11/08 13:25

UAゼンセン(182万人)は11月5日、22政策フォーラムを開催、松浦会長はあいさつで「コロナ禍の特異な昨春とは異なり、22春闘は元に戻して、ベア2%を基準(’昨年は目標)に、定昇込み4%を要求し、全体として高めの春闘相場をめざす」と提起した。定昇がない組合は9500円または4%機銃となる。パートは2%以上として、正規より高い賃上げ率をめざす。特定最賃の取り組み検討も注目される。総合的な労働条件の改善はジェンダー平等など12項目。産別統一闘争でスト資金や技術についても解説しているのも連合の産別では注目される。
立冬 ― 2021/11/09 15:52

立冬光が丘の浅き紅葉
連合22春闘案、異例の賃金低下打開へ、新資本主義対応も焦点 ― 2021/11/09 16:26
連合は22春闘討論集会を開き、世界でも異例の賃金停滞打開へ「すべての組合がベア獲得」と格差是正にこだわり、分配構造のゆがみ是正を軸とする基本構想を確認した。また連合は今春闘で国民生活の維持・改善へ「けん引役」となり、社会的責任を果たすことも提起。春闘体制では金属大手中心から、化学、流通、交通、公益など5部門の共闘連絡会議での検討も打ち出している。岸田首相が新設した「新しい資本主義実現会議」に芳野連合会長も参加し、手腕が問われよう。
国民大運動が初の地域交流集会、軍事費を福祉へ ― 2021/11/12 16:21

総選挙後の特別国会が開かれ、岸田内閣が発足した11月10日、全労連などの「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は地方大運動交流集会をオンライン併用で開き、地域からの暮らし、いのち、平和などの運動を強めることを確認した。80年に結成され、初めての地方・全国交流集会。活動報告では「市民と労組、野党の共闘で市長選に勝利し、カジノ案を阻止」(神奈川)、「30年間の自治体キャラバンで共同を拡げ地域要求実現」(奈良)、「地域労連や市民を含め、いのち守る共同前進」(広島)をはじめ、高知、山形、埼玉なだが共闘前進を報告。主催者挨拶で太田代表世話人(全商連会長)や運動提起の渡辺正道事務局長(全労連事務局次長)などは、総選挙結果を踏まえ、来年の参院選へ向け、くらし、いのち、医療、公共サービス、改憲阻止へ、いまこそ中央・地方で「軍事費を削って暮らし、福祉・教育充実」の大運動の共同を拡げよう」と訴えた。参加は10中央組織・27地方から63人。集会では活動休止状態(42地方のうち活動25地方)にある地方組織の活性化も提起された。
建交労軽貨物ユニオン、ヤマト運輸,国交省などに労働者に準じた処遇要請 ― 2021/11/16 13:42

建交労軽貨物ユニオンが会見、ヤマトなど大手宅業者と関係省庁に要請
運輸関連の建交労軽貨物ユニオンは11月11に厚労省で会見し、個人事業主の処遇改善を訴えた。コロナ禍で宅配需要増と政府の副業促進と大手業者のコスト削減と相まって宅配・軽貨物業界でフリーランスの個人請負ドライバーが急増し、いまや全国で23万人。高橋英晴ユニオン代表は「個人事業主は不安定就労であり、社会保障や就業環境、労働時間面での労働者に準じた法規制が必要だと」訴えた。同ユニオンはアマゾン・ジャパン、ヤマト運輸、佐川急便などに公正取引や契約変更、労災特別加入など要請。国交省、厚労相など3省に法的改善や行政指導を要請した。結成は19年11月で、建交労のダンプ、トラック組織化と活動交渉などを踏まえて旗揚げ。神奈川、千葉、栃木など関東を中心に、関西などにも組織化を進めている。
芳野連合会長、新資本主義会議で語る ― 2021/11/19 16:38

岸田首相の「新しい資本主義実現会議」の提言は、賃上げ支援策で大企業優遇・中小選別や労働移動の促進、経済分野での軍事優先、原発推進などが盛り込まれている。経団連の十倉雅和会長は「新たな資本主義実現は経団連の新成長戦力と軌を一にしている」と評価。「経済成長を最優先」とし、福祉改悪なども提起している。
連合の芳野会長も参加し11月18日の会見で、「働くことを軸とする安心社会」の連合ビジョンを提起し、格差是正、公正取引などを主張している。芳野会長は首相や経済界との接点は薄いとされ、同会議で分配構造のゆがみ是正や働き方改革などで手腕が問われている。
全労連、新資本主義会議提言を批判、改憲阻止へストも ― 2021/11/20 11:24

岸田首相の「新しい資本主義実現会議」の提言は賃上げ支援策で大企業優遇・中小選別や労働移動の促進、経済分野での軍事優先、原発推進などが盛り込まれている。
経団連の十倉雅和会長は「新たな資本主義実現は経団連の新成長戦力と軌を一にしている」と評価。「経済成長を最優先」とし、福祉改悪なども提起している。
全労連の黒澤幸一は11月18日の会見で「同会議提言で賃上げに触れざるを得なかったのは、我々の要求の反映だ。しかし、成長優先の分配など新自由主義のアベノミクスの継承だ」と批判。働く者や国民のための社会的役割にふさわしい政策を求めアクションを起こすと語った。
さらに総選挙で改憲勢力が議席の3分の2を占め、改憲論議が急を告げていることに対して、「本格的な改憲の危機になれば、改憲阻止へ全面的なストを幅広い労組、市民共同でたたかう」と提起し、今後が注目される。
満月と月食の宇宙ショウ ― 2021/11/21 15:56

満月で部分月食。97・8%。18時03分。
満月が月食となり天動く
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