電機、「要求を結果につなげる」日立、パナ、東芝など2023/02/02 15:59


電機、「要求にこだわり、結果につなげる」と6単組、久しぶりに元気な発言相次ぐ


電機連合は中央委員会を3年ぶりに、リアルとオンライン併用で東京で開き、「要求を結果につなげる」など大手単組の発言が目立った。要求はベア7000円(約2・3%)で、JCより1000円高く、連合より1%程度低い、25年ぶりの水準だ。生計費と生産性、労働力市場の3要素を総合的に踏まえて設定した。
神保委員長はあいさつや会見で「この9年間で約1万円引き上げ、単年度だけでなく、継続した賃上げと、先進国から立ち遅れた賃金水準・上げ幅を引き上げ、マイナスの実質賃金改善を組織内外に波及させる社会的な責任を果たさなければならい」と強調した。方針は内部留保にも触れ、大手12社は19年の9・6兆から21年には14・3兆円と過去最高の水準となっていると指摘している。

論議は、厳しい交渉を予測しながら要求にこだわり、結果につなげる歯止めへ決意があいつぎ、久しぶりに元気な発言が相次いだ。「大幅賃上げ実現へ、水を差すような電機連合になってはならない」(三菱)、「30年間も賃金が上がらないのは、なぜか。企業のデフレマインドに組合も理解を示してきたのではないか。技術力、人材投資は十分だったのか。今年を夜明け、新時代となるの取り組へ」(日立)、「組合員から今年は頑張って下さいとの声を聞く。今春闘は結果にこだわり、組合員の期待に応えなければならない」(東芝)、「電機の春闘相場形成の社会的責任発揮を。情報の共有も」(富士通)、「人への投資でジョブ型雇用も交渉テーマとなる。新たな時代の統一闘争も課題だ。実質賃金低下を止めるため、ハドメは要求にこだわった水準を」(パナソニック)、「日本の賃金を中・長期に改善するため、政労使で機能する仕掛けを」(NEC)など。また参院選総括ともかかわり会場からは「これまでのように春闘獲得で要求の3分の1、半分にならない23春闘回答を」などの声も出された。
本部答弁で中澤書記長は内部留保の増大にも触れ、「我々のガマンの結果だ。ハドメでは、結果にこだわる」と発言。「妥結に柔軟性」については、「回答の社会的な役割と水準を確保した上での対応となる」と述べた。神保委員長も最後に「労使の信頼関係により結果につながる解をめざす」と決意を表明した。

神保委員長らの会見では、記者から「2%要求は物価ミニマムともいえる水準で、満額獲得しても実質賃金はマイナス。物価を上回る賃上げが政治、社会的意味を持っている中で、電機のハドメ水準への反映は」などの質問も出された。神保委員長は「物価からは低いとの見方もあるが、この9年間の賃上げなど、単年度だけでなく経過を含め総合的に判断」と答えた。

JR連合、賃上げ5%要求、連合準拠へ2023/02/05 15:51


JR連合、23春闘で連合方針に基づき賃上げ5%程度要求、人材確保を重視


JR連合は2月1日、豊橋市で中央委員会を開き、23春闘要求を決めた。賃上げは、定昇2%程度に加え、月例賃金総額3%相当の合計5%程度となる。連合方針の5%(ベア3%程度と定昇相当25)に基づいた水準。月例賃金総額3%相当のうち、ベアは3000円(約1%)を目安に設定。2%相当は、各単組で初任給や若年層・中堅層の賃金改善や手当偏重型の賃金制度改善、就労環境の整備に資する改善原資としている。昨年と比べ、月齢賃金要求で1%高く、ベアは2000円上積みしている。方針では、JR産業は、若手・中堅の人材流失で産業基盤が揺らぎかねない深刻な事態が発生と指摘し、物価上昇への対応や「人への投資」を重視している。
萩山一郎会長はあいさつで「要求実現へ組織をあげ、ONE TEAMで臨もう」と強調。雇用についてはJR産業では長期安定雇用が有益とし、産業政策では,事業者、国、地方が連携、協働した地域にふさわしいモビリティを守ることを訴えた。ヨーロッパのような「上下分離方式」も課題となろう。
(鹿田勝一)

「要求取り切を」連合23春闘開始宣言集会2023/02/09 18:21

連合、23春闘・闘争開始宣言 「要求取り切る決意」、政労使会議・政労会見表明も


連合は23春闘 闘争開始宣言 中央総決起集会を2月6日、東京でオンライン併用で開催した。芳野会長は「急激な物価高で賃上げのステージ転換へ、全ての組合が要求を提出し、ねばり強い交渉」を呼びかけた。また3月中旬の中小交渉の重用段階に、政労使会議や政労会見について、政府からの前向きの見解を明らかにした。政府が検討していたものである。
連合労働条件・中小労働委員会の神保委員長(電機連合委員長)は「物価高だけでなく,国際的に見劣りする賃金引き上げる、分配構造転換など春闘への期待は高い。目標水準を取り切る決意でねばりの交渉で結果を勝ち取ろう」と提起した。

職場報告では、UAゼンセンは「実質賃金の向上をめざす」と述べ、JAMは「付加価値還元、分配構造転換へもの分かりの悪い春闘を」と報告し、連合北海道は「人への投資」、連合長崎は「物価分以上の賃上げを確認」と決意を表明した。
闘争宣言では23春闘を「分水嶺」とし、「先人が積み上げてきた春闘の流れを継続」と明記。清水事務局長は「賃上げ数字だけでなく、闘い方が問われ、ベクトル転換を」と呼びかけた。参加は1416人。

基幹労連、「結果を出す春闘」、8700円+格差是正2023/02/12 14:33

基幹労連、ベア3500円以上を要求し「結果を出す」、14000円要求単組も


基幹労連は2月8日に中央委員会を開き、造船部門などの賃上げ要求を3500円以上と決めた。2年サイクルの鉄鋼大手などは昨年、ベア22年3000円、23年2000円(定昇6700込み8700円)で決着。23春闘ではベア3500円を基本とし、鉄鋼大手妥結水準の8700円を土台に、格差是正をめざす。大手では4%程度、1万~1万4000円程度になるという。方針では地域最賃が毎年3%程度増、31円増などを踏まえ、特定産別最賃と企業内最賃の重視を打ち出した。
討論ではエネルギー、電力料金高の懸念も出されたほか、物価高で部門、業種だけだと、社会的メッセージが弱いのではないか」「改めて要求を検討し、1万4000円要求決めた」「本部の支援強化を」など意見も出された。神田委員長は「苦労された要求だと思うが、結果を出してこそタ-ニングポイントとなる」と強調した。

街道探訪 1 大宮氷川神社の「戦艦武蔵」脾は語る2023/02/14 14:01

大宮氷川神社・「戦艦武蔵」の脾から


大宮氷川神社の参道19丁(2072m)を歩く。埼玉新都心駅近くの一の鳥居から、樹木の参道を散策。境内には2015年に建立された戦艦武蔵の大きな石碑がある。
碑文を読んで、驚いた。米軍に撃沈されて海に飛び込んで生存した者は再び戦地に送られて戦士。生き残り、本土の土を踏んだ者はごく少数という戦争の非情さである。
「武蔵」は戦艦大和の2号戦艦として1942年8月5日に広島で竣工。44年10月17日に出港し、7日後の10月24日に米軍の攻撃でフィリピン・シブヤン海に撃沈された。
乗組員はは2399人で、犠牲者は1039人。「総員退去」の命令が下り、戦闘服のまま海に飛び込んだ者を含め、1329人が生存した。ところが、生存者は再び戦地に送られ、最終的に本土の土を踏んだのは僅か430人だった。
生き残った者のうち183人と遺族32人の手記を収めた「嗚呼 戦艦武蔵」の復刻版が2023年1月30 1日に出版された。いま岸田政権は大軍拡を進めているが、軍拡戦争のなれの果の非情さと無残さを示す「戦艦武蔵」。歴史を直視し、大軍拡・増税にストップをかけることを「武蔵」の石碑は反面教師として教えているようだ。

自動車23要求、「高い」が分散・ベア非公開に課題2023/02/18 16:45

自動車総連23春闘、要求「高い」が分散、ベア非公開で実質賃金確保に課題


自動車総連の大手は2月15日に要求を提出した。「転換の春闘」と言われながら、今年も産別の要求を決めず、企業連・単組自決で対応。「20年来の高い要求」となったが、12労組で本田の1万9000円から日野の7500円まで9段階に分散。実質賃金確保のベアを明示しているのはヤマハのみで、ベア不明の総額平均要求が多く課題を残している。トヨタは職種と資格で要求。高収益でも技能職で5470円となり、引き上げ率も引き上げ総額も明らかにしない内向きだ。
金子晃浩会長は、会見で「物価高の賃金補てんや人材確保を含め、この20~30年で最も高い要求水準。力強く勢いのあるスタートが切れた。結果を期待し、賃上げベクトル転換としたい」と表明した。今後、部品、販売など中小への支援が課題となる。(詳細は連合通信2月18日配信)

自動車23要求、「高い」が分散・ベア非公開に課題2023/02/18 16:45

自動車総連23春闘、要求「高い」が分散、ベア非公開で実質賃金確保に課題


自動車総連の大手は2月15日に要求を提出した。「転換の春闘」と言われながら、今年も産別の要求を決めず、企業連・単組自決で対応。「20年来の高い要求」となったが、12労組で本田の1万9000円から日野の7500円まで9段階に分散。実質賃金確保のベアを明示しているのはヤマハのみで、ベア不明の総額平均要求が多く課題を残している。トヨタは職種と資格で要求。高収益でも技能職で5470円となり、引き上げ率も引き上げ総額も明らかにしない内向きだ。
金子晃浩会長は、会見で「物価高の賃金補てんや人材確保を含め、この20~30年で最も高い要求水準。力強く勢いのあるスタートが切れた。結果を期待し、賃上げベクトル転換としたい」と表明した。今後、部品、販売など中小への支援が課題となる。(詳細は連合通信2月18日配信)

自動車23要求、「高い」が分散・ベア非公開に課題2023/02/18 16:45

自動車総連23春闘、要求「高い」が分散、ベア非公開で実質賃金確保に課題


自動車総連の大手は2月15日に要求を提出した。「転換の春闘」と言われながら、今年も産別の要求を決めず、企業連・単組自決で対応。「20年来の高い要求」となったが、12労組で本田の1万9000円から日野の7500円まで9段階に分散。実質賃金確保のベアを明示しているのはヤマハのみで、ベア不明の総額平均要求が多く課題を残している。トヨタは職種と資格で要求。高収益でも技能職で5470円となり、引き上げ率も引き上げ総額も明らかにしない内向きだ。
金子晃浩会長は、会見で「物価高の賃金補てんや人材確保を含め、この20~30年で最も高い要求水準。力強く勢いのあるスタートが切れた。結果を期待し、賃上げベクトル転換としたい」と表明した。今後、部品、販売など中小への支援が課題となる。(詳細は連合通信2月18日配信)

官公労が49年ぶり暫定人勧要請2023/02/22 14:03


49年ぶり、公務労組が人事院総裁に「物価高騰に対応対する暫定勧告要請」

全労連系の公務労組連絡会は人事院総裁に対して「物価高騰に対応対する暫定勧告要請」を2月17日、人事院総裁に対して行った。狂乱インフラの1974年にも人事院は5月、7月の2回勧告を行っている。国公法では「社会一般の情勢に適応するよう随時変更できる」とされている。今回も歴史的な物価高を踏まえて、暫定勧告を要請した。49年ぶりの行動で、人事院地方事務局にも要請する方針だ。労働基本権の確立も要請した。

先行満額回答の明暗、トヨタ、ホンダ、イオン2023/02/24 12:32


満額回答の明暗、トヨタ、ホンダ、イオン


3月の春闘ヤマ場を前に、異例の2月下旬から自動車、UAゼンセンなどの早期満額回答が目立つ。分水嶺は3月中旬の先行大手回答でベア3%台の実質賃金確保ができるかどうかである。
満額回答でも、トヨタ、ホンダ、イオンで違いがあり、明暗に分かれている。

トヨタは職種と資格で3570円から9370円(事務職・指導職)で2月22日に満額回答。現場労働の技能職EX3級(5ランクで中堅クラス)は5470円に過ぎない。物価高と史上最高益で3年ぶりにベア要求のあることを公表したとはいえ、引き上げ率も引き上げ総額も明らかにされていない。仮に5470円を賃金表書き換えのベアに相当するとすれば、1・37%程度か?。物価分3%を大きく割り込み、実質賃金マイナスで「目減り賃金」決着とならないか。定昇制度は20年から廃止しており、賃金構造維持分もわからない。企業主義で内向きの非社会的な実質マイナス先行妥決は春闘全体に悪影響を与えよう。本来は産別、連合が妥結を送らせる調整・指導が求められる重要課題でもある。マスコミも実態が分からないままで『満額』と大騒ぎをしているのではないか。

ホンダは2月22日の第2回労使交渉で満額回答。ベア1万2500円(3・3%)と定昇相当分を含め1万9000円(約5%)で、33年ぶりの最高額と最速決着となった。ベア額は昨年の4倍である。実質賃金を確保し、初任給は10%アップで健闘している。

UAゼンセンは連合要求を超えるベア4%程度(定昇込み6%程度)を設定し、「長期停滞の賃金ベクトル転換の分岐点、チャンスの春闘」として、実質賃金確保へ先行相場形成に挑戦。異例の早期決着として2月22日に流通部門のイオン・オールサンデーユニオン(青森)が1万4706円(6・16%)、パート7・01%の満額獲得で妥結。産別要求の6%超えで妥結第1号となった。産別では23春闘の分水嶺ともなる実質賃金確保へ向け産別統一闘争強化と妥決権を重視している。