連合大手ベア獲得組合57%減、中小は大手越えベア獲得2021/03/22 15:44

連合の21春闘結果はコロナ禍を反映して厳しさを示した。要求組合は昨年より17%減の2770組合。賃上げ回答の第1回集計(3月19日)は平均賃金で5563円(1・81%)と昨年より278円マイナス。率ではベア要求を復活させた14年以降で最低となった。ベア獲得組合は昨年より57%減の286組合で1685円(0・55%)と昨年を262円(0・11%)上回った。規模では99人未満が1791円(0・76%)で大手の1724円(0・56%)を上回り、健闘している。大手のベア要求は昨年より26%減の99組合に過ぎない。パートの賃上げは24・61円である。働き方は時短など15項目を掲げ成果を上げている。 神津会長は「コロナ禍でも賃上げの流れを止めず、分配構造の転換をめざす春闘。中小が大手を上回る成果を上げている」と評価した。会見で記者から「大手でベア要求が減少し、春闘に影響を与える大手が回答内容を明らかにせずに構造維持分だけで満額獲得ともいわれている。連合要求はベア2%であり、ベア重視の回答評価をすべきだはないか」との質問も出された。 妥決水準は11ヶ月連続マイナスの実質賃金の目減り回復にはほど遠く、この 20 年間で世界から遅れた賃金・雇用の劣化の反転や内部留保還元など分配のゆがみ是正にも課題を残している。