全労連が連合金属大手より先行回答、スト背景に社会的相場形成へ2021/01/16 13:42

全労連などは21春闘の最大の山場を3月10日に回答、11日にストを含む全国統一行動として連合のトヨタなど金属大手回答予定日より1週間先行した闘争方針を決めた。1月14日の単産・地方代表者会議の決定で、自動車、電機など連合の金属大手に先行する全労連春闘共闘全体としての闘争は初めてとなる。13日の重税反対行動を含め50万人決起となる。 提案で全労連の黒澤事務局長は、先行方式の理由として、①大企業の企業内主義的な春闘を我々の力で打開し、先行回答を形成し、全国への波及をめざす、②全国統一ストで全国的な社会的相場を作る、③各産別の交渉も3月第2週のほうが取り組みやすいこと、などをあげた。 討論では、これまでも大手金属回答より先行闘争を展開しているJMITUが「全労連として3月10日の回答日、11日ストでそろった。一緒になって職場、地域、各産別が闘うパターンとなる。ストを含む統一行動を激励しあおう」と述べた。全労連の調査では3月10日の回答設定は14産別で、11日の全国統一行動も殆どの産別で計画されている。 大手金属回答に対しては、1975年の鉄鋼、造船、電機、自動車の政管労使の一発低回答による管理春闘で春闘相場が高位平準化から低位平準化へと変質したことに対して、旧総評が「管理春闘打破」を掲げて先行方式を含めて闘争を開始。89年の労戦再編・統一後は全労連にも継承され、トヨタ総行動などとして展開されているが、ナショナルセンター全労連全体としての先行は初めて。21春闘でトヨタはベア要求をしなと報じられている。コロナ禍で厳しさ必至の春闘打開へ「コロナ禍だからこそ闘い、見える春闘」を掲げる小畑・黒沢新体制の初めての挑戦が注目される。 討論でも「コロナ禍で新組合を14組合結成し昨年の3倍増」(自交総連)、「医療・介護充実のいのち署名に自民党の閣僚経験者を含む100人超に議員が賛同。賃上げは低賃金打破へ4万円以上要求」(医労連)、「街頭で春闘リーフレットの受け取りはよく、手ごたえを感じる。コロナ禍で変化を作りがそう」(埼労連)をはじめ、自治労連、全教、京都、福岡などが教育、医療などの制度要求や全国一律を含む最賃共同など運動の前進を報告した。 なお連合でも金属の低額定額回答に対して95年にパタンセッタ―の見直しとして先行産別を提唱したが、先行する勇気ある産別がなく、検討課題にとどまった。現在はUAゼンセンなどが、春闘は金属だけでは無いとして、満額回答単組などを金属に先行させ、産別の大手組合を金属と同日回答にそろえて金属を上回る回答水準を獲得し、春闘相場に影響を与えている。

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