「満額」「要求以上」回答続出、どうみる2024/03/31 14:12

【労働フォーラム】20240330-46

「満額」、要求以上の回答、どうみる。春闘69年でも「異常」

★春闘69年でも24春闘のように「満額」回答や要求以上の回答が続出するのは異常である。 ★連合の記者会見でも、質問として「要求が低かったのではないか」「物価ミニマム要求でなく、生活向上分などを加えた要求の検討も」などが出されている。 ★実態は、金属労協では先行48組合の87%が満額回答。産別では基幹労連が6割、UAゼンセンは5割に達している。電機は12組合中11組合、自動車は大手12組合中9組合が満額か要求超え回答である。★どう見るか。 ①満額・要求以上の回答も3パターンある。「経営側の先行発表でノン・ユニオン化」「個別労使の早期妥結で統一闘争軽視」「先行高額相場の形成へ実質賃金確保の単組先行を産別承認」などである。 春闘では力があり、業績の良い大手単組・産別がパタ-ンセッターとなって高額回答の相場形成と波及をめざす方式だ。金属単組のほか、UAゼンセンは産別統一闘争を強化し、グループ労働協約も踏まえ、産別会長の妥結承認のもとに早期高額回答相場の形成・波及を目指し、影響力っを高めている。 ②,「満額」回答でも定昇込みの水準もある。定昇は現行賃金カーブ維持であり、実質賃金は賃金水準引き上げの「ベア」でみる必要がある。厚労省も経団連も実質賃金はベアでみることを指摘している。 ③「満額」も企業の収益増や、内部留保増大からみれば不十分であり、大企業の労働分配率の低下となっている。生産性3原則の公正配分からも問題といえる。 ④賃金の国際比較でも、実質賃金の低下で日本はさらに水準低下となる。 ★連合幹部は「異例だが、後続組合の回答に波及し、評価」と語っている。しかし、満額や要求以上の回答続出は、連合要求が生活向上分もなく、物価ミニマムであり、経営側から見ても「人への投資」で不十分であり、低かったことを示しているのではないか。★「要求基準以上」ではすまない総括の重要課題である(鹿田勝一)。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://shikata-katsuichi.asablo.jp/blog/2024/03/31/9671974/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。