UAゼンセン、連合上回る6%基準要求案、生活向上分プラス2023/11/09 12:41

UAゼンセン、24春闘賃上げ6%基準案、生活向上分含め連合上回る ★UAゼンセンは11月6日に政策フォーラムを開き、24春闘の賃上げ要求案としてベア4%基準、定昇込み6%基準を提案した。パート賃上げも6%基準である。★要求は23春闘の4%をめざすから、「基準」に高め、統一性を強めると同時に、4%前後とし流通部門ではベア5%、定昇込み7%案を提起している。★連合要求の「ベア3%以上」より1%高い水準であり、2年連続した傾向である。 ★あいさつした松浦会長は、23春闘では連合を超える妥結水準と社会的相場形成の牽引役を果たしたと指摘。連合全体では30年ぶりの高い賃上げだが、実質賃金はマイナスと指摘。24春闘の要求論議では23春闘の3%の「数値を上げる論議もあったが、連合方針に基づいた高さ、広がりにしようと、3%に『以上』がついた」と指摘した。★24春闘では「本当の意味で実質賃金を浮上させ、働く者の生活向上、日本経済の成長には、重要な意味を持っている」と強調。物価がクリアできるか、中小間の格差拡大と大幅引き上げが課題とし、人員確保、体質改善へ「何が必要か、どうすればいいか」などの論議を呼びかけた。 ★要求の特徴は、物価を上回る賃上げを必要最低限とし、賃上げは物価分3%に生活向上分を含め4%基準としていることである。連合要求は3%以上の物価ミニマムで、生活向上分は含まれていない。 ★闘い方との関連では、連合は今年を上回っても、満額獲得しないと実質賃金はマイナスとなる厳しい闘いとなる。ゼンセンは物価分を上回り、実質賃金を確保したうえで、生活向上をめざす闘いとなる。 ★賃上げ支援策では、岸田政権も物価を上回る賃上げへ「賃上げ税制」などを提起している。ゼンセンは23春闘でも産別としても政府に賃上げ環境ヘ価格転嫁の推進や税制、助成金制度の拡充などを求めた。24春闘でも「年収の壁」是正などを含め賃上げ支援へ政策制度の取り組みも課題となろう。(ジャーナリスト・鹿田勝一)