総選挙結果の労働界談話、連合会長は市民連合に選別対応 ― 2021/11/04 21:13
労働フォーラム【2021年11月5日・金】
総選挙結果・労働団体。市民連合談話。連合会長は市民連合に選別対応発言
岸田政権のもとで初めての総選挙が10月31日投票で行われた。選挙戦は与党に対する「野党共闘」の構図となったが、自民は過半数の261議席(15減)を確保した。野党共闘は全289選挙区のうち217選挙区で候補者を一本化し、当選は62議席。1万票以内で惜敗した選挙区は31に上っている。
連合は立憲、国民など213人を推薦し、当選は前回と同じ99人にとどまった。11月1日に選挙結果について清水秀行事務局長の談話を発表。要旨は「自公の絶対安定多数を許し、国会の勢力図は変わらず極めて残念」と指摘。その上で「国民民主党は現職全員の当選など健闘し、一方、立憲民主党は改選前の議席を割り込み大きな課題を残した。両党には選挙結果を検証し、連携・協力の深化を期待し、連合も両党とより密に連携する」としている。
芳野会長は選挙後の会見で「立憲と共産との共闘は残念」と述べ、「来年の参院選でも、立憲と共産との共闘は認められない」「共産党と共闘する市民連合も受け入れ難い」と踏み込んだ。しかし、連合内部は「野党の共闘体制を強化」(自治労)、「中道非共産を基軸に」(UAゼンセン)から自民、公明候補支援まで分散化。「かつてなく政治的な溝は深い」との声も聞かれる中で新会長の政治分野の一体化への前途は多難だ。
共産と立憲などとの共闘について、神津前連合会長は「共産党との共闘には与しないが、選挙区の候補者調整は選挙戦術上の事柄として政党間で協議・決定されるものであり、連合が関知するものではない」と語っている。新会長はその事実をどう受け止め、今後、どう対応するのか論議となろう。
また市民連合と共産党など4野党の関係についても、連合産別内では共闘支援の組織もあり、市民連合に対する共闘選別も問題となろう。
全労連は11月1日に選挙結果について黒澤幸一事務局長の談話を発表。骨子は「市民と野党共闘4野党の統一候補は全体として議席を伸ばすには至らなかったが、多くの選挙区で競り勝つ成果を得た」と指摘。その上で「市民連合と4野党の共通政策は政権づくりまで合意した画期的なものとなったが、短期間の選挙戦で国民に十分に浸透しきれなかった。全労連は政策実現へ市民と野党の共闘がさらに豊かになるよう力を尽くし、来年の参院選で改憲勢力を過半数割れに追い込み、労働者・国民の要求実現の政治転換へ奮闘する」としている。
市民連合も総選挙結果に関する声明を発表。各地で野党候補勝利のために奮闘した市民に敬意と感謝を表明した上で、「多くの選挙区で僅差で敗北したことは極めて残念だ。しかし接戦の選挙区が多かったことは野党と市民の協力に一定の効果があった」と評価。選挙の反省をもとに、日常的な政策実現の取り組みとあわせ、来年の参議院選挙を戦う体制を再構築し、今後とも自民党に代わる選択肢の創出に努力を続ける」としている。
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