労基研報告書案まとめ、法の適用除外拡大へ2024/12/28 17:36

【労働フォーラム】20241228―131

労基法研究会報告書案まとめ、働くルールの最低基準破壊ヘ

★厚労省の労働基準関係法制研究会(学識者10人)は12月24日、16回目の会議で「報告書案」まとめを公表した。★課題は「労働時間」や「労使コミュニケーション」、労基法の「事業」「労働者」など多岐にわたる。★最大の問題は、労使合意による労基法など労働保護法制の「適用除外」(デロゲーション)の拡大である。★「報告書案」では、デロゲーションの用語をなくして、別の表現に変えている。骨子は「労使コミュニケーションの意義と課題」として、「労使合意等の一定の手続きの下に個別の企業、事業場、労働者の実情に合わせて法定基準の調整・代替を法所定内要件の下で可能とする仕組み」としている。★実施されると、労働条件の最低基準を定めた労基法の「骨抜き」となり、働く者の権利を法律で保障した憲法の形骸化となる。★研究会の論議でも「デロゲーションは性質上、使用者にメリットが多い」とも指摘されている。 ★「労使コミュニケーション」と過半数労働者代表制も大きな争点だ。「報告書案」では、「労使コミュニケーションの在り方」として、過半数労働組合のない事業場に「過半数代表者の適正選出と基盤整備」を提起し、選出手続きや複数の人数、任期などあげている。★また現行の事業場単位を維持しつつ、複数事業場での労使協定の一括手続きの明確化にも踏み込んでいる。★問題は「過半数労働者」には、労働組合のようなスト権など労働基本権が保障されてなく、使用者優位の労使合意となり、労基法「空洞化」の推進になることである。 ★連合の芳野会長は「労使関係で弱い立場の労働者を保護する労基法の制定を踏まえ、力の差を踏まえない労使コムニュケーションは認められず、デロゲーションは容認できない」と表明している。★全労連も反対を表明している。(鹿田勝一)

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