12春闘 連合、全労連 2つの逆集会 可処分問題 ― 2012/03/10 12:01
連合は異例の集会 「可処分所得」が危ない
12春闘ヤマ場を前に、連合は3月6日、異例の集会を開いた。例年は東京の明治公園で1万人以上の集会をひらいているが、今年は日比谷公会堂で約2000人規模の室内集会に縮小。震災1周年復興・再生と春闘、政策実現をかねたものだ。報告にとどまり、春闘決起とはほど遠い規模と内容となった。春闘決意表明した西原自動車総連会長は、定昇確保にふれたももの、ベアには一言も触れなっかったのが象徴的だった。しかも政策では「社会保障と税の一体改革」実現や骨抜き派遣法修正の成立をせまった。古賀伸明会長は2月の集会で「政府与党の一体改革には連合の政策が反映され、評価し支持する」との見解を表明しているが、今集会でも実現を強調した。
問題は、賃金低下が続くなかで、可処分所得(税・社会保険を引いた手取り賃金)への影響である。大和総研は500万円の標準世帶で復興増税や社会保険など総計で可処分所得は年31・4万円減少。うち消費税10%は16・8万円の負担増と試算している。連合の1%復元では増税分の補てんにはほど遠い。ベアゼロ・定昇維持では可処分所得減少で手取り賃金は減少し、「悩むところだ」と電機幹部。賃上げ要求するUIゼンセンなども「デフレの深刻化を懸念」「経営側も消費縮小を懸念」などの声も聞かれる。
これまで連合母体の全民労協などは売上税法案を廃案にさせ、結成初期の連合は景気浮揚へサラリーマン減税を実現しており、今回の「増税キャンペーン」は異例だ。世論調査でも5割以上が消費増税に反対している。「何のための政権交代か」が問われるなかで、野田政権の支持率は急落。産別幹部からは「歴代首相のように選挙では負ける」との声も聞かれ、政権と連携した連合の異例な行動は、政権に墓穴を掘ることにもなりかねない。
「国民生活第一の政治」に背く野田政権に対し全労連や全労協は12春闘で「対決」を表明し、旧総評系の平和フォーラムも反原発やPTT批判を強めている。運動のキーワードは「生活擁護」の経済社会の実現だ。社会保障費の負担増でも大企業や富裕層の応能負担で税構造を改め、雇用、所得を改善し可処分所得の向上となる政策の実現が求められている。
全労連は3000人が霞が関行動
「国民春闘の積極的伝統の継承発展」を掲げる全労連は3月8日、全国から約300人が参加して、中央行動を展開した。医労連は賃上げ2万円以上と結合して、社会保障改悪・大増税反対でストを背景にたたたかう方針を掲げ、春闘期は初めて200人が国会前座り込み行動を展開した。JMIUは3万円以上を掲げ「歴史的な転換期の春闘で経済要求、政治課題の二方面のたたかいを強め、政治を変えていく」と表明し、8日は全国で100支部分会、3000人が(スト69支部分会)や決起集会を行った。昼には厚生労働省前で集会を開き、自治労連、国公労連、建交労なとが終結。日比谷野外音楽堂が改修工事のため、道路集会となったが、連年パターンである。
春闘ベア否定、公務員の賃下げ、4割人員削減、消費増税、福祉、原発、PTT問題、労働法制改悪など攻撃は全面的であり、厳しい情勢打破の闘いが求めれている。全労連の大黒作治議長は「さまざまな一点共闘を拡大し合流へ」と展望し、3月15日の春闘ストから、国会の重要段階をふまえ、4月12日、5月25日、6月下旬に大規模な中央行動を計画している。
12春闘ヤマ場を前に、連合は3月6日、異例の集会を開いた。例年は東京の明治公園で1万人以上の集会をひらいているが、今年は日比谷公会堂で約2000人規模の室内集会に縮小。震災1周年復興・再生と春闘、政策実現をかねたものだ。報告にとどまり、春闘決起とはほど遠い規模と内容となった。春闘決意表明した西原自動車総連会長は、定昇確保にふれたももの、ベアには一言も触れなっかったのが象徴的だった。しかも政策では「社会保障と税の一体改革」実現や骨抜き派遣法修正の成立をせまった。古賀伸明会長は2月の集会で「政府与党の一体改革には連合の政策が反映され、評価し支持する」との見解を表明しているが、今集会でも実現を強調した。
問題は、賃金低下が続くなかで、可処分所得(税・社会保険を引いた手取り賃金)への影響である。大和総研は500万円の標準世帶で復興増税や社会保険など総計で可処分所得は年31・4万円減少。うち消費税10%は16・8万円の負担増と試算している。連合の1%復元では増税分の補てんにはほど遠い。ベアゼロ・定昇維持では可処分所得減少で手取り賃金は減少し、「悩むところだ」と電機幹部。賃上げ要求するUIゼンセンなども「デフレの深刻化を懸念」「経営側も消費縮小を懸念」などの声も聞かれる。
これまで連合母体の全民労協などは売上税法案を廃案にさせ、結成初期の連合は景気浮揚へサラリーマン減税を実現しており、今回の「増税キャンペーン」は異例だ。世論調査でも5割以上が消費増税に反対している。「何のための政権交代か」が問われるなかで、野田政権の支持率は急落。産別幹部からは「歴代首相のように選挙では負ける」との声も聞かれ、政権と連携した連合の異例な行動は、政権に墓穴を掘ることにもなりかねない。
「国民生活第一の政治」に背く野田政権に対し全労連や全労協は12春闘で「対決」を表明し、旧総評系の平和フォーラムも反原発やPTT批判を強めている。運動のキーワードは「生活擁護」の経済社会の実現だ。社会保障費の負担増でも大企業や富裕層の応能負担で税構造を改め、雇用、所得を改善し可処分所得の向上となる政策の実現が求められている。
全労連は3000人が霞が関行動
「国民春闘の積極的伝統の継承発展」を掲げる全労連は3月8日、全国から約300人が参加して、中央行動を展開した。医労連は賃上げ2万円以上と結合して、社会保障改悪・大増税反対でストを背景にたたたかう方針を掲げ、春闘期は初めて200人が国会前座り込み行動を展開した。JMIUは3万円以上を掲げ「歴史的な転換期の春闘で経済要求、政治課題の二方面のたたかいを強め、政治を変えていく」と表明し、8日は全国で100支部分会、3000人が(スト69支部分会)や決起集会を行った。昼には厚生労働省前で集会を開き、自治労連、国公労連、建交労なとが終結。日比谷野外音楽堂が改修工事のため、道路集会となったが、連年パターンである。
春闘ベア否定、公務員の賃下げ、4割人員削減、消費増税、福祉、原発、PTT問題、労働法制改悪など攻撃は全面的であり、厳しい情勢打破の闘いが求めれている。全労連の大黒作治議長は「さまざまな一点共闘を拡大し合流へ」と展望し、3月15日の春闘ストから、国会の重要段階をふまえ、4月12日、5月25日、6月下旬に大規模な中央行動を計画している。
草野忠義 元連合事務局長を偲ぶ ― 2012/03/10 17:11
草野忠義・元連合事務局長が3月7日に急逝された。
取材では、全民労協事務局次長時代から、自動車総連事務局長、自動車総連会長、JC議長、連合事務局長、連合総研理事長時代を含めてお世話になった。全民労協時代には売上税廃案で運動を展開し、連合結成では綱領作成の一人であり、テクノラート型の幹部といわれた。労働戦線統一委員会(6人委員会)の秘密報告書も印刷し、後世に残した。連合時代では01~04年は笹森会長、草野事務局長のコンビとなったが、全労連との同時多発行動は以前よりやや疎遠となった。連合総研理事長時代には巻頭言で論陣をはられた。
それにしても今年にはいり、連合は笹森会長、芦田会長、鷲尾会長を亡くされ、草野事務局長も逝去された。連合結成と産別加盟の舞台裏や秘話が公にならないまま、トッブリーダーをうしなったことは、日本の労働運動や労働戦線再編史からみても惜しい人々をうしなったことになる。もっと聞いておけばおけばよかったとの思いは強い。ご逝去をいたむ。
取材では、全民労協事務局次長時代から、自動車総連事務局長、自動車総連会長、JC議長、連合事務局長、連合総研理事長時代を含めてお世話になった。全民労協時代には売上税廃案で運動を展開し、連合結成では綱領作成の一人であり、テクノラート型の幹部といわれた。労働戦線統一委員会(6人委員会)の秘密報告書も印刷し、後世に残した。連合時代では01~04年は笹森会長、草野事務局長のコンビとなったが、全労連との同時多発行動は以前よりやや疎遠となった。連合総研理事長時代には巻頭言で論陣をはられた。
それにしても今年にはいり、連合は笹森会長、芦田会長、鷲尾会長を亡くされ、草野事務局長も逝去された。連合結成と産別加盟の舞台裏や秘話が公にならないまま、トッブリーダーをうしなったことは、日本の労働運動や労働戦線再編史からみても惜しい人々をうしなったことになる。もっと聞いておけばおけばよかったとの思いは強い。ご逝去をいたむ。
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