春闘、労使関係に厳しい学者提言「騙されるな」 ― 2024/11/13 14:54
【労働フォーラム】20241113―102
春闘、労使関係に厳しい提言、「騙されるな」と藤村博之・法政大学名誉教授
★藤村博之・法政大学名誉教授でJIL・PT理事長は連合の25春闘中央討論集会で「労使関係の正常化」と題して基調講演し、春闘や労使関係について厳しい提言を行った。 ★講演では「他国に比べ日本の労使関係は正常化していない」と指摘。★33年ぶり高水準獲得の24春闘についても「5%超(ベア3%超)では生活向上分を獲得していない」と述べ、この20数年の物価を下回る実質賃金の低下について「異常なこと」との認識が春闘議論のスタートになる」と提起した。 ★労使関係についても「組合は経営側に寄りすぎではないか」「経営側と同じ論理で考え、同じテーブルに座るのではなく、「90度の角度」で座ることが必要だと提起した。 ★ 分配構造についても内部留保の増大や株主配当増加などに対して、実質賃金はマイナスが続いてことついて、「みなさんは、経営側に騙されている」と苦言を呈した。 ★ 「ジョブ型「と「メンバーシップ・ジョブ型」の違いについても、「ジョブ型は職務給であり、職務記述書に限定され、所定時間で仕事は終わり、労働側優位」と指摘。メンバーシップ・ジョブ型は「新卒採用でわが社のメンバーとされ、業務以外の仕事や残業、異動を行い」とし、「ジョブ型雇用は幻想であり、かつて90年代人事の成果主義の悪い循環」と指摘し、「止められるのは労働組合のみであり、役割でもある」と指摘した。 ★25春闘については、実質賃金は物価上昇に追いつてなく、GDPの6割を占める個人消費の拡大へ賃上げを」提起。「会社の財政は「二重底」であり決算で1割くらいは動かせるといわれる」と述べ、★「もっと要求してよいという経営者もいる」「既に7%の賃上げを提唱している経営に対して組合はより高い要求をして交渉になる」とハッパをかけ。実質賃金割れには「もう1回ベア交渉をするが組合の責任ではないか」「人材不足であり、激しい議論のなかから新しいものが生まれる」と檄を飛ばした★。株主配当増など分配のゆがみを是正させるのは組合しかない」と激励した。 ★連合総研の市川正樹所長は「企業は賃上げを増やさず、内部留保は600兆円超も増えている」と指摘し,中小企業の内部留保増のデータも示した。(鹿田勝一)
UAゼンセン、連合上回るベア4%。大手・中小同一要求 ― 2024/11/08 16:51
【労働フォーラム】20241108―101
UAUAゼンセンは25春闘で連合上回るベア4%、定昇込み6%基準案 産別統一闘争を重視し大手、中小とも同一要求率、額で格差是正へ
★春闘に影響力をもつUAゼンセンは11月6日、政策フォーラムを開き、25春闘の要求案として、ベア4%基準、定昇込み6%基準を提起した。★24年に次ぎ、連合要求より1%と高い水準である。 ★要求の内訳は、物価上昇分を上回る実質賃金確保として3%、その上に生産性向上にみあうマクロGDPとして生活向上分1%を上積みしてベア4%と、定昇2%と合わせて6%基準としている。★格差是正へ要求額ではベア12000円、定昇込み16500円を設定した。連合はベース賃金を30万円として6%、18000円としているが、ゼンセンはベース賃金が低く、金額要求で中小は率ではベア4%%以上、定昇込み6%以上となり、格差是正となる。 ★パート時給は60円、5%基準、定昇込み80円、7%を目安に引き上げ、正規より1%高い要求を掲げた。 ★ゼンセン要求の特徴は、実質賃金プラス生活向上分を加えていることと、★産別統一闘争を重視し、大手、中小とも同一水準率を設定していることである。連合は大手5%、中小6%の2段構えの要求で産別統一闘争に課題を残している。 ★新会長に選出され、初陣春闘となる永島智子会長は、「24闘争では実質賃金を上回り、25闘争では生活向上分を確保する。24では格差が拡大し、中小企業の賃上げヘ価格転嫁を強め、底上げ、公正配分を」と強調した。 ★また総選挙結果については「立憲、国民ともすばらしい結果であり、政権交代の可能性に一歩踏み出し、高める行動を各政党に要請したい」と述べ「立憲、国民とも野党であり、来年の参院選に向けて良い方向を」と訴えた。(鹿田勝一)
「青べか物語」の海岸 ― 2024/11/07 11:43
【労働フォーラム】20241106―100
新浦安の海
山本周五郎の「青べか物語」の浦安。新浦安から歩いて30分で海に着く。沖に数隻のタンカー。釣り人、キス50センチを釣りあげている。「大きいですね」と声をかける。海岸先端にホテル。松林の公園に家族。埋め立て町の風景。11月4日に猿が現れた海岸でもある。(鹿田勝一)
「今こそ平和を!」国会正門に2300人 ― 2024/11/07 11:18
【労働フォーラム】20241031―96
「今こそ平和を!」憲法擁護国会正面に2300人
★憲法公布78年目11月3日、国会正門前で「憲法を変えさせない!戦争反対!今こそ平和と人権」を掲げた大行動が開かれた。総がかり行動などの主催で、2300人が参加した。 ★総選挙で自公など改憲勢力を過半数割れに追い込んだ結果を受けての初の国会前行動。主催者あいさつした染裕之・総がかり実行委共同代表や憲法共同センターの木下興さんらが「総選挙で改憲勢力の過半数割れから、改憲発議の3分の2も割り込ませたのは大きな成果だが、石破首相は改憲を口にしている。来年の参院選へ市民と野党の共闘を大きく広げ、命と暮らしと、人権が大切にされる社会、政治の実現に力をあわせよう」と呼びかけた。 ★参加者は全労連、全労協、連合参加労組も加盟する平和フォーラムなど労働組合が中心で、市民組織の参加は少なかった。(鹿田勝一)。
連合25春闘討論集会、ベア、ストで要望も ― 2024/11/05 17:30
【労働フォーラム】20241101―96 連合25春闘中央討論集会、物価プラス要求やスト辞さない闘いなどを要望
★連合の25春闘中央討論集会が11月1に開かれ、春闘を含む労使関係について厳しい講演がされた。参加者からは、物価分だけの賃上げ要求は不十分との意見や大手組合のリーダー的な役割発揮、ストを辞さない闘いなどの意見もだされた。
★芳野会長はあいさつで、ステージ転換を掲げた24春闘を評価しつつ「中小との格差は拡大し、実質賃金も物価高で8月に再度マイナスに転じた。25春闘でははみんなの賃上げ、生活向上が重要だ」と提起。また若年層の賃上げに対して、中高年層への配分が手薄く、配分交渉で是正を」と述べ、「賃金への期待は大きく、組合の存在を発揮し、賃金も物価も経済も好循環するノルム(赤井的規範)への転換を」と訴えた。
★討論では13人が発言。★JAMは「25春闘ではハドメを全体として先ず実質賃金確保し、その上に格差是正、分配構造の転換を」「上げ幅だけでなく賃金水準での格差是正へ。要求表示も率よりも金額重視で」「組合の有無で賃上げは3000円の差があり、春闘で組織拡大を」と述べた。 ★UAゼンセンも「今後の労使関係にも関わり、組合の有無で賃上げに差があり、春闘は組織拡大のチャンスだ。組合づくりを知らせ、経営側も受け入れやすくなる」と述べた。 ★ 自治労・全国一般は「大手の先行回答が重要であり、回答表示はベアだけでなく定昇込みの水準を」「労働基本権にこだわる闘いでは連合としてストを辞さない後押しを」と要請。★JR総連は「連合は2014年に、定昇と物価分、生活向上」とし、別途「格差是正」を要求としていたと述べ、「連合は統一要求で大手リードの回答を中小波及へ」と述べた。 ★ 全国ユニオンは「政府は最賃1500円を言っており、連合も言ったらどうか。中小だけでなく、非正規、フリーランスの要求対応も」と要望した ★自動車総連やJR連合は価格転嫁の取り組み強化を述べ、航空連合やサービズ連合は「離職・人手不足打開へ魅力ある産業へ労働条件向上」と主張。★ヘルスケア労組は「まだ半数が妥結していなく、収益増への診療報酬改善」を訴えた。 ★連合本部は「昨年以上の獲得へスト権確立の交渉を」「春闘で組合を作りたい相談も増えており、春闘期に具体的な取り組みを進めたい」と表明した。(鹿田勝一)
「転職」は増えず、「欠員率」高い企業は高い賃上げ。厚労白書 ― 2024/11/04 14:31
【労働フォーラム】20241031―95
労働白書
★2024年版の労働経済白書についての説明を日本労働ペンクラブは10月30日に行った。★政府が推奨している「転職」は年間約300万人で数年間横ばいであり、増えてはいない。ただし中小から1000人以上の企業への移動が増え、★「欠員率」が高い企業ほど高い賃上げを行い、人材確保とあわせ、残った人の処遇を大事にしている傾向もうかがえる。★労働人口減少に対して女性、高齢者、外国人労働者が増加し、外国人技能では日本の賃金は低く、魅力のない国になっている。、 ★石破新政権は総選挙で過半数割れとなり、労働行政では最賃引上げ、賃上げなどで政労使協会議協議を提起している。★現在、労働界で反対している労基法など労働法制の規制緩和にどう対応するか。経団連の推進に対してブレーキを踏むかどうかも問われよう。(鹿田勝一)
秋空に柿吊るす ― 2024/11/04 14:24
【労働フォーラム】202411029―94
柿吊るす
天高し青カンバスに柿吊るす(鹿田勝一)
連合総研25春闘要求、ベアは物価だけでは不十分、分配是正も、 ― 2024/10/30 17:17
【労働フォーラム】20241029―93
連合総研が25春闘フォーラム「ベアは物価分に生産性向上、労働分配率改善を」提唱
★連合総研は25春闘へ向け、「生活向上につながる賃上げ実現と労働環境の改善」をテーマにしたフォーラムを10月29日に開き、ベアについて「物価分プラス分配の歪み是正」などの見解が表明された。主催者として神津里季生理事長があいさつし★、賃上げの今後のあり方を考える」と題して日本経済研究センターの齋藤潤研究顧問がコメントした。 齋藤氏は「24春闘で物価を上回るベア・賃上げを実現したが、所定内賃金では今年8月まで物価分を下回っている」と指摘し、「実質賃金を増加させるベアの拡がりが必要」と述べた。 ★ さらに「実質賃金のプラスだけでは不十分であり、労働分配率が低下する可能性がある」とし、実質利益など内部留保は増えながら、労働生産性上昇の成果は賃金にはあまり分配されなかったと述べ、「労働分配率を上昇させる賃上げが必要」、「成長と分配の好循環のためには、高い賃上げ率の継続的な実現が必要」などを提起した。 ★ 大手・中小の賃金格差についても「経済のグローバル化やイノベーションの進展などで規模別生産性の差が大きくなり、賃上げ率の差も広がっていく」との見解を示しつつ、「同じような環境にあっても、北欧諸国では賃金格差を低く賃金の差を低く抑える国々が存在する」と述べ、「労働組合による集団的賃金交渉が大きく関係」と指摘した。 ★フォーラム参加者からは25春闘を含め今後の賃上げの在り方などの質問が出され、齋藤氏などは「25年では労働分配率を下げないことで名目GTP2・69%のベアと定昇1・8%で4・5%を示し、(さらに物価分に実質賃金確保分)に言及した。 ★また日銀の物価2%との関係では、物価2%に生産性向上分1%でベア「3%が下限」とし、さらに労働分配率改善、20数年か低下続けた賃金補填などを含むベアを提唱した。 ★「正規と非正規の雇用システムをどう変えていくか」についてお茶の水女子大の永瀬伸子教授が「女性・非正規の賃上げ」「年金では3号を廃止し賃上げ」を提唱した。★「高齢者と労災」について慶応大学の太田聡一教授がコメントした。(鹿田勝一)
ラグビー、日本完敗、オールブラックス強し ― 2024/10/28 17:14
【労働フォーラム】20241026-92 ニュージーランドに完敗、日本の「超速ラグビー」
ラグビー・ニュージーランドのオールブラックスは強い。日本を62対19の大差で破る。トライ数は10対3で日本h完敗。パス、独走トライだけでなく、後半40分のモールトライ(写真)は強さを見せつけた。★日本の超速ラグビーは前半2分の先行トライのみ。80分間は無理な作戦ではないか。(鹿田勝一)
秋、栗を焼く ― 2024/10/28 17:02
【労働フォーラム】20241027-93
栗を焼く,大きい丹波栗
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