全労連大会 一点共闘を重層的共同へ 連合批判も ― 2012/08/06 16:41
全労連は7月29~31日野 3日間、横浜市内で大会を開き、運動方針の柱として「安心・安全社会をめざす大運動」(全労連大運動)、「150万全労連の新中期計画の実行」「憲法擁護・安保破棄運動の再強化」を決めた。中期的には「憲法をいかし『雇用と社会保障を中心におく日本』をめざす運動を広げる」としている。
組織拡大では2015年度までに組合員150万人の達成をめざし、全ての単産・地方が4年間で10%以上の純増をめざす。財源措置として単産で組合員一人当たり月額3円、オブ加盟・地方で1円の特別会費を徴収し、一般会計からの繰り入れを含めて4年間で約1億8000万円を確保する方針だ。
大黒議長のあいさつの特徴は2つ。ひとつは、原発ゼロ、消費税増税・福祉改悪、TPP(環太平洋経済連携協定)参加反対の国民的課題で幅広い団体、国民との連携にふれながら、「一点共闘・共同の広がりを多角的重層的共同」に発展させるために、「行動の統一を調整するナショナルセンターの機能と役割が求められている」としてナショナルセンターの強化を提起したことである。 2つ目は、野田政権の暴走をやめさせることを呼びかけ、政府方針容認の連合に対して「企業内主義の弱点が顕著になり、労働者の生活防衛や労働条件改善のため力が発揮とされる一因」と批判したことである。
討論は、連合大会の10数人とは異なり、79人が発言した。
特徴は、静岡、島根、茨城、福島、長野など12県労連が原発ゼロなどをめざす市民組織との共同の取り組みが広がったと報告。一点共同によるローカルセンターの社会的影響力の拡大を示した。大阪労連は教育基本条例などで府内で50の連絡会ができ、連合系労組とナショナルセンターの枠を超えた抗議集会も行っていると報告した。
組織拡大でも純増の実績をかさねる医労連、年金組合、愛知をはじめ、25組織・産別が発言し、「画期的な大会」となった。全労連は98年の153万人をピークに現在、114万人にまで組合員を減少させている。特別会費の規模については「少ない」「連合と比べて構えが小さい」「議論が不十分」などの意見が神奈川労連、医労連、埼労連などからだされ、群馬は「再検討すべき」と注文を付けた。
雇用をめぐっては熊本、山口が電機ルネサスの閉鎖リストラの反対を報告したのをはじめ、マツダ、ソニーなど大企業リストラ反対闘争が報告された。千葉は大企業労働者との連帯を運耐え、熊本は電機の産業政策の論議を提唱したのが特徴だ。JMIUは非正規の正規化の成果も報告した。
一方、春闘についての論議は低調で発言は4組織。JMIUが「本気で春闘再生」とストの前進を報告したほか、医労連「ベアにこだわる」、埼玉と東京が地域春闘を報告したの。地方などは最賃と公契約重視である。
総括答弁で小田川事務局長は、要求が一致する国民的課題で共同を広げ運動を発展させようと呼びかけた。さらに「EUはナショナルセンターの年金大規模ストで社会的な力を発揮している。春闘で職場の要求と政策課題の追及検討を」と提起し、組織拡大は秋に具体化する方針を述べた。
課題としては運動方針として、世界でも異常な日本の長期賃金低下と長期デフレが雇用・社会保障劣化だけでとらえていいのかどうか。所得復元も大きな課題であり、国民春闘と労働運動の社会的影響にもかかわることだろう。
また「150万全労連」「100万人総対話」「20万人行動」など積極
的な運動方針も大会論議では十分に論議されなく、今後の運動化が課題だ。 賃金と政策課題がかつてなく重なりあった春闘で、労働運動として職場からの両面のたたかいは弱く、春闘ストにふれたのJMIUのみだった。職場からの運動強化も大きな課題であることを示した大会といえる。
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