連合総研25春闘要求、ベアは物価だけでは不十分、分配是正も、 ― 2024/10/30 17:17
【労働フォーラム】20241029―93
連合総研が25春闘フォーラム「ベアは物価分に生産性向上、労働分配率改善を」提唱
★連合総研は25春闘へ向け、「生活向上につながる賃上げ実現と労働環境の改善」をテーマにしたフォーラムを10月29日に開き、ベアについて「物価分プラス分配の歪み是正」などの見解が表明された。主催者として神津里季生理事長があいさつし★、賃上げの今後のあり方を考える」と題して日本経済研究センターの齋藤潤研究顧問がコメントした。 齋藤氏は「24春闘で物価を上回るベア・賃上げを実現したが、所定内賃金では今年8月まで物価分を下回っている」と指摘し、「実質賃金を増加させるベアの拡がりが必要」と述べた。 ★ さらに「実質賃金のプラスだけでは不十分であり、労働分配率が低下する可能性がある」とし、実質利益など内部留保は増えながら、労働生産性上昇の成果は賃金にはあまり分配されなかったと述べ、「労働分配率を上昇させる賃上げが必要」、「成長と分配の好循環のためには、高い賃上げ率の継続的な実現が必要」などを提起した。 ★ 大手・中小の賃金格差についても「経済のグローバル化やイノベーションの進展などで規模別生産性の差が大きくなり、賃上げ率の差も広がっていく」との見解を示しつつ、「同じような環境にあっても、北欧諸国では賃金格差を低く賃金の差を低く抑える国々が存在する」と述べ、「労働組合による集団的賃金交渉が大きく関係」と指摘した。 ★フォーラム参加者からは25春闘を含め今後の賃上げの在り方などの質問が出され、齋藤氏などは「25年では労働分配率を下げないことで名目GTP2・69%のベアと定昇1・8%で4・5%を示し、(さらに物価分に実質賃金確保分)に言及した。 ★また日銀の物価2%との関係では、物価2%に生産性向上分1%でベア「3%が下限」とし、さらに労働分配率改善、20数年か低下続けた賃金補填などを含むベアを提唱した。 ★「正規と非正規の雇用システムをどう変えていくか」についてお茶の水女子大の永瀬伸子教授が「女性・非正規の賃上げ」「年金では3号を廃止し賃上げ」を提唱した。★「高齢者と労災」について慶応大学の太田聡一教授がコメントした。(鹿田勝一)
最近のコメント