JAL争議早期解決へ超党派国会議員が初の都労委要望2021/06/10 16:17

「日本航空争議の早期解決に向けての要望」を自民、立憲、共産、社民、無所属など超党派の国会議員が6月9日、東京都労働委員会に提出した。国会議員の争議解決要望は都労委でも初めであり、JAL争議審問は厚労相の労働委員会対応発言とあいまって、国政レベルの課題ともなってきた。 要望代表者は、福田昭夫衆議院議員(立憲民主党)で、賛同者は自民が3人、立憲13人、共産1人、社民1人、無所属2人の衆参国会議員20人である。自民党では中谷元議員・元防衛相も賛同しているが、関係者によると、解雇されたパイロット81人のうち28人が自衛隊出身であり、26人が争議団などを考慮したのではないかと語っている。 要望書は、「政府主導によるJAL再建途上で165人の整理解雇が行なわれたことは、国会議員としても無関心ではいられない」と指摘。さらに労働委員会や最高裁でもJAL解雇は「団結権侵害の違憲・違法」の不当労働行為との判決が下され、時の国交相が「日本航空の不当労働行為は遺憾であり適切に対処」と答弁したことも無視されたままであるとも指摘。ILOからの4度の解決勧告も出され、田村厚労相は国会で「国としては労働委員会でいろいろな対応ができる」と答弁しているとし、165人の解雇から10年。長引く争議は人権、人道上の問題に加え空の安全にも影響するとして、JAL争議の早期解決へ都労委の尽力を要請している。 会見した福田議員は、異例の国会議員要望の思いとして「JALは破綻から立ち直り、新規採用も多数行なっている。犠牲者の救済、解雇解決のない対応は正義ではない」と強調。今後の対応については「これまで超党派議員有志の勉強会を行い、今回は初の超党派議員による争議早期解決への都労委要望を行った。今後は行動が重要だ。社長は解雇を解決したいと言っており、解決へ向けJAL本社に乗り込みたいとの思いだ」と述べた。矢上雅義衆議院議員(立憲)も要望書提出に同行し「コロナ化だからこそ、JAL解雇撤回闘争10年の教訓を生かし、解雇規制を含め早期解決をめざしたい」と語った。 要望書提出には、、10年におよぶ「争議解決の道筋」へ向け4月に結成したJAL被解雇者労働組合の山口宏弥委員長らも参加。会社に対して「希望者全員の復職」「復職が適さない者の地上職勤務」や補填、解決金など「三労組解雇問題統一要求」に準じた要求と団体交渉を申し入れたが、会社が拒否したため、5月に不当労働行為の救済申し立てを都労委に行い、審問も開始される予定だ。山口委員長は「自らの要求に止まらず、解雇争議全体の適切な解決に資するため」の先鞭をつけた闘いであり、共闘を強め早期解決をめざしたいと語っている。JAL争議は不当解雇撤回を求める日本最大の争議であり、労働委員会での不当労働行為の救済命令が歴史的も注目されている。

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